【解法の要点】
それぞれの就労支援がどの(行政)機関で行われているかを問う問題である.
【解説】
✕1 リワークは復職前の準備段階として,実際の仕事で使うスキル(パソコン操作やプレゼンテーションなど)に慣れていくためのプログラムを提供するものであり,医療機関が中心となって行っている.ハローワークとは関係ない.
◯2 地域障害者職業センターは,障害者に対する職業準備訓練,事業主が障害者を雇用する際の相談・援助,地域の関係機関に対する助言・援助を行う.
✕3 職場適応訓練は,実際の事業所で作業することにより,作業環境に適応することを目的として実施するもので,ハローワークが窓口となる.
✕4 トライアル雇用とは原則として3ヵ月の間,常用雇用への移行を目指して試行雇用することであり,ハローワークが窓口になる.
✕5 ジョブガイダンスとは,医療機関等の連携施設にハローワーク職員が出向いて,就職活動に関する知識や方法を教えるものである.
正解 : (2)
【解法の要点】
職業能力適性を評価する方法とその概要について押さえておく.
【解説】
✕1 内田クレペリン精神検査は,隣り合う数字を足して下1ケタの数字を記入していく.一定時間計算させ続けることで,作業力,集中力,注意力などの作業能力と,性格傾向を知ることができる.
✕2 GATB(General Aptitude Test Battery:厚生労働省編一般職業適性検査)は,多くの職業で必要とされる9つの能力=適性能(知的能力,言語能力,数理能力,書記的知覚,空間判断力,形態知覚,運動共応,指先の器用さ,手腕の器用さ)を評価することにより,望ましい職業選択を行うための情報を提供することを目標として作成されたものである.
✕3 障害者用就職レディネス・チェックリスト(ERCD:Employment Readiness Checklist for the Disabled)は,そこで必要とされる最低限の心理的・行動的条件をどこまで満たしているかを確認するためのチェックリストであり,9領域44項目で構成される.
◯4 マイクロタワー法は,ワークサンプル法を用いて職業能力適性を測定する作業見本法の一つで,13の作業課題(これを「ワークサンプル」という)を小集団で実施し,運動神経能力,空間知覚,事務的知覚,数的能力,言語能力の5つの領域を評価する.
✕5 MODAPTS(Modular Arrangement of Predetermined Time Standards)は,人間の自然な随意動作には,身体に障害がなければその動作時間には個人差はほとんどないという前提のもと,あらかじめ動作とその所要時間値を調べたもので,実際に要した時間と比較することにより,作業能力を評価する場合などに用いられる.
正解 : (4)
【解法の要点】
障害者総合支援法によるサービスには,介護給付や訓練等給付などを行う自立支援給付と,相談支援などを行う地域生活支援事業がある.介護給付は介護が必要な障害者・児に対して,ニーズにあった支援,援助を行う.本人の日常生活能力や生活環境を考えて利用できる支援を選ぶ.
【解説】
✕1 共同生活援助とはグループホームのことであり,夜間や休日,共同生活を行う住居で,日常生活上の相談に加えて,日常生活上の援助を行う.
◯2 居宅介護(ホームヘルプ)とは訪問介護のことであり,居宅サービスの介護給付にあたる.自宅で,入浴,排泄,食事の介護などを行う.
✕3 重度訪問介護は,重度の肢体不自由,重度の知的障害,精神障害により常に介護を必要とする場合に,自宅での入浴,排泄,食事,外出時の移動支援などを総合的に行う.
✕4 短期入所(ショートステイ)は,自宅で介護する人が病気の場合などに,短期間,施設で,入浴,排泄,食事の介護などを行う.
✕5 同行援護は,視覚障害により移動に著しい困難を有する人に,移動に必要な情報の提供(代筆・代読を含む),移動の援護などの外出支援を行う.
正解 : (2)
【解法の要点】
就労継続支援は,一般企業での就労が困難な障害者に働く場を提供するとともに,就労に必要な知識・能力の向上のための訓練を行う.A型(雇用型)とB型(非雇用型)があり,A型は通常の事業所に雇用されることが困難であるが,雇用契約に基づく就労が可能である者に対するサービスである.一方のB型は通常の事業所に雇用されることが困難であり,雇用契約に基づく就労も困難である者に対するサービスである.
【解説】
✕1 利用期間に期限の設定はない.利用期間の限度が3年なのは,就労定着支援もしくは就労移行支援事業の特例の場合である.
◯2 解法の要点 参照.
✕3 ジョブコーチの配置義務はない.ジョブコーチとは,障害者が一般の職場で働くことを実現するため,障害者と企業の双方を支援する就労支援の専門職である.地域障害者職業センターや社会福祉法人,障害者雇用をする企業などに配置され支援を行う.
✕4 原則年齢制限があり,18歳以上65歳未満である.
✕5 一般就労を6ヵ月継続している者が対象となるのは就労定着支援事業である.
正解 : (2)
【解法の要点】
ACT(Assertive Community Treatment:包括的地域生活支援プログラム)は,入退院を繰り返すなど重症の精神障害者を対象として,地域社会でうまく生活を継続できるように,多職種が24時間の支援体制で関わる仕組みである.
【解説】
✕1 サービスは365日24時間提供される.
✕2 生活している場面での相談・支援が原則で,積極的に訪問が行われ,自宅や職場などでのサービス提供を行う.
✕3 地域社会での生活を支援する活動であり,入院治療を推奨するものではない.
✕4 既存の地域精神保健サービスでは十分な恩恵を得ることが難しい,比較的重度の精神障害者が対象となる.
◯5 多職種チームでサービスを行い,包括的な訪問型支援を提供するケアマネジメントモデルの一つである.
正解 : (5)
【解法の要点】
ACTチームのメンバーは,症状に留意しながら,本人の生活や就労をそれぞれの職種の特性を生かしながら支援する.今回は本人が就労を希望しているのであるから,就労に関する支援をまず優先する.
【解説】
✕1 幻聴など精神症状に留意する必要はあるが,就労支援を考えるうえで最も優先すべきとはいえない.
◯2 本人が就労を望んでいるので,本人が望む職種や条件について聞き取りし,就労支援の体制を構築することが最も優先される.
✕3 就労継続支援B型(非雇用型)は,一般企業などでの就労や雇用契約に基づく就労が難しい者に適応となる.現時点では,まず本人が希望する職種や条件について確認し,本人の病状などを踏まえたうえで就労先を検討していく.
✕4 本人が就労を望むのであれば,関係者は今の時点で最も適切な就労支援の体制づくりを優先する.本人の就労の意欲を尊重し,部屋の掃除ができるようになるまで待つ必要はない.
✕5 服薬は自己管理だが,時折聞こえる幻聴には対処できており,現時点では服薬についての主治医への相談は最も優先すべきことではない.
正解 : (2)