【解法の要点】
意識障害の評価法が問われている.名称から検査内容の推測が難しいものもあるため,機会があれば検査の見学や検査画像などの確認をしておこう.
【解説】
✕1 光トポグラフィーは,近赤外線光を用いて大脳皮質の活動を画像化する非侵襲的な検査である.精神科領域の気分障害や統合失調症などの検査・診断に利用される.
✕2 機能的MRI(fMRI:functional MRI)とは,神経活動が活発な脳領域の酸素量の増加をBOLD法により計測して,特定の機能を遂行している際の脳の活動部位を非侵襲的に画像化する技術である.研究段階の検査である.
✕3 MMPI(Minnesota Multiple Personality Inventory:ミネソタ多面人格目録)は質問紙法の心理検査で,550の質問に対して「あてはまる」「あてはまらない」「どちらでもない」を選択する3件法が用いられている.基礎尺度(妥当的尺度・臨床尺度)と追加尺度があり,その最大の特徴の一つが妥当的尺度(でたらめな回答や故意の回答歪曲を検出するために挿入される尺度)である.
◯4 脳波は,てんかんの診断・病型分類,意識障害の評価,睡眠異常の診断,脳死判定,特殊な波形による疾患の推定などに用いられる.軽度の意識障害において,肝性脳症などの代謝性脳症(三相波),非痙攣性のてんかん部分発作(てんかん波),脳梗塞の部位に一致した徐波など,原因検索に有用である.
✕5 WAIS-Ⅲ(ウェクスラー成人知能検査・改訂版)は知能の個人内差の診断が可能な成人用個別式検査で,「言語性IQ」「動作性IQ」に加え,「言語知覚」「知覚統合」「作動記憶」「処理速度」の4つの指標が与えられる.16~89歳までが対象となる.
正解 : (4)
【解法の要点】
GCS(Glasgow Coma Scale)について,開眼機能E,言語機能V,運動機能Mのそれぞれの評価を覚え,用いられるようにしよう.
【解説】
✕1,2,4,5
◯3 呼びかけると開眼することよりE3,発語はあるが不適当であるためV3,運動において逃避反応がみられることよりM4が適当な評価である.
正解 : (3)
【解法の要点】
JCSは簡便な意識レベルの評価法であり,瞬時に状態把握ができることが理想である.大まかには①刺激を加えずとも開眼している状態→Ⅰ,②何らかの刺激を加えることで開眼する状態→Ⅱ,③刺激を加えても開眼しない状態→Ⅲ,と覚えておこう.
【解説】
✕1 痛み刺激での開眼はⅡ-30である.
✕2 呼びかけで容易に開眼する場合はⅡ-10である.
✕3 開眼していて見当識障害があるならばⅠ-2である.
✕4 体を揺さぶることで開眼すればⅡ-20である.
◯5 開眼していて生年月日が言えなければⅠ-3である.
正解 : (5)